有期事業の一括に該当しない工事現場で労働者が被災したとき
請負事業の一括は労災保険独自の取り扱いなので、労働者死傷病報告の提出先等に影響しません。 また、建設業では建設工事現場を事業場とみなします。
したがって、大規模工事現場で労働者が被災した場合、被災労働者が、元請/下請 どちらの労働者であっても、労働者死傷病報告は、原則どおり、当該建設工事現場の住所を管轄する労働基準監督署に提出します。
労働者死傷病報告の提出者も、原則どおり、被災労働者を直接雇用している者となりますので、元請の労働者が被災したときは 元請の事業主、下請の労働者が被災したときは 下請の事業主がそれぞれ提出します。
一方、労災保険では「請負事業の一括」により、一つの建設工事を一つの保険関係で処理(適用/補償)し、元請を事業主として取り扱っていますから、被災したのが元請/下請 どちらの労働者であっても、元請の労災保険で補償することになりますので、請求書には元請がハンコを押します。
労災保険の請求書の提出先は、大規模工事の場合、当該工事の保険関係が成立している(当該工事専用に労災保険をかけている)ので、被災したのが元請/下請 どちらの労働者であっても、当該工事の保険関係が成立している労働基準監督署、つまり、当該建設工事現場の住所を管轄している労働基準監督署となります。
ちなみに、労働者死傷病報告・労災保険の請求書ともに、労働保険番号を記入する欄がありますが、この欄には、労働者死傷病報告・労災保険の請求書とも、当該大規模工事の労災保険番号を記入します。
<元請の労働者が被災>
提出者→元請事業者 押印→元請事業者 提出先→工事現場所在地を管轄する労基署
<下請の労働者が被災>
提出者→下請事業者 押印→下請事業者 提出先→工事現場所在地を管轄する労基署
※労災保険請求書の提出は・・・
<元請の労働者が被災>
押印→元請事業者 提出先→工事現場所在地を管轄する労基署
<下請の労働者が被災>
押印→元請事業者 提出先→工事現場所在地を管轄する労基署
<労働者死傷病報告・労災保険請求書に記載する労働保険番号>
元請の労働者が被災した場合・・・当該大規模工事の労災保険番号
下請の労働者が被災した場合・・・当該大規模工事の労災保険番号