田中労務経営事務所  業務日誌

埼玉で社会保険労務士をやっています。日々の業務にまつわるあれこれを綴っていきます。

死傷病報告の提出者は、被災者を直接雇用する者

  建設業の下請労働者が被災したときも、被災労働者を直接雇用している下請の事業主が提出者です。労災保険代理人による提出も認められていません。

 

【提出先の例外は、人材派遣】
  派遣労働者が被災した場合は、派遣・派遣(派遣会社)が、それぞれ労働者死傷病報告を提出しなければなりません。つまり、1件の労災事故に関して、労働者死傷病報告が2枚作成されることとなります。そして、労働者死傷病報告の提出者は、派遣先・派遣元(派遣会社)それぞれの事業主となります。
  ちなみに、労災保険では、派遣労働者が被災したときは、派遣(派遣会社)が事業主として労災保険の請求書にハンコを押します。また、派遣元(派遣会社)のハンコに加えて、派遣の事業主のハンコが必要な労災保険の請求書もあります。

 

 労働者死傷病報告は、仕事中の災害であっても、負傷等をしたのが労働者でない(例えば、社長や一人親方がケガをした)場合(注)や、労働者が仕事を休まなかった場合(不休災害)には提出する必要がありません。

  また、通勤途上の災害は労災保険の対象となりますが、仕事中の災害でないため労働者死傷病報告は提出する必要がありません。

  (注)負傷した人が労働保険の特別加入者の場合は、労災保険から補償を受けるため、労災保険用の(特別加入者)事故報告が必要となることがあります。