田中労務経営事務所  業務日誌

埼玉で社会保険労務士をやっています。日々の業務にまつわるあれこれを綴っていきます。

パティシエ HAL YOKOYAMA 閉店

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狭山市駅から徒歩3分。富士見1丁目にパティシエ ハル ヨコヤマという素敵な洋菓子屋さんがありました。

 

ここは、「え、狭山市なんかにお店出していていいの?」と思うくらい、質の高くて😋美味しいケーキを食べられるお店でした。

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狭山市って意外なことに、美味しい洋菓子屋さんとパン屋さんがたくさんあるのですが、その中でも1・2を争う美味しさでした。

 

そんな大好きなお店が突然閉店( ;∀;)

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たまたま顧問先で駅前に小規模保育所を開園するところがあり、そこで職員向け説明会をした後、店の前を通りかかったのが27日(金)

知らなかったー!

こんなことなら、食べダメしておけばよかった。

 

でも、40歳という若さで、これからの人生を考えて生き方を変えるってすごいなと思いました。

確かにオーナーパティシエって、ワーク・ライフ・バランス的にはあまりよろしくない職業ですからね。

 

人生において歳をとるって、一つのことに一つのことに集中して極め、円熟を迎えるということですが、違う言い方をすると、毎年毎年自分の可能性を切っていって選択肢を無くしていくことでもあるのですよね。

 

横山晴幸オーナーの今後の人生にエールを送ります。

 

 

総会とか

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年度が替わり、各社・各団体、総会シーズンがやってきました。
だいたい6月くらいまで続く年中行事ですね。
 
現在の会社法等では、意思決定機関である総会は集まってやるしかなく、非常に困ったことになっています。
これに対し、経済産業省ではQ&Aを出し、各自の判断により感染防止に配慮した開催、または開催延期を呼びかけています。
我が社会保険労務士会所沢支部でも、支部の総会をどう扱うべきか、議論を重ね、慎重に検討しました。
実際、予約していた会場が2会場とも緊急事態宣言を受けて閉鎖になり、キャンセルになったこともあり、今回は「集まらない」という結論に達しました。
 
ここまで感染が拡大したり、重篤な状態になる人が出るとは予想もしていなかった2月ごろ。あのときにこうなることが分かっていれば、臨時総会を開催したり、全支部会員に直接投票をしてもらったりして規則の変更や諸対応をできたのですが、そこまでの洞察力がなく、バタバタの対応になってしまいました。
 
でもですね。
いま大切なことは、「会員の、ひいては国民の生命を守るそのためにはクラスターとなる可能性のある会合は行わないということかと認識しています。
 
ましてや、ここ埼玉県は非常事態宣言が出て、「集まるな」ではなく「外に出るな」とまで言われている中、不要不急とは言いませんが、規程通りに総会を行うことに優先度があるのだろうかということです。
 
別に、総会その他、軽んじているわけではありません。きちんとやらなければ支部だけでなく、埼玉会に、全国社会保険労務士会連合会に迷惑が及ぶことは理解したうえで、一番大事なことのために何をしなければならないか、ということです。
 
非常事態宣言のもと、「要請」という形にしろ、移動の事由とか勤労の事由とか、集会の事由も含めて基本的人権の制限が起きている中、形にこだわるのではなく、民主主義に則って、少数意見にもしっかりと配慮し、十分な説明のもとに採決ができれば今年に限って良いのではないかと考えます。
 
 
いま、弊事務所でも雇調金とか小学校休業等対応助成金とか、普段扱わない案件・相談、質問が山のように来ています。
中小企業の置かれている経済状況は悪化の一途を辿っています。
 
そんななか、とある市の産業振興課から雇用調整助成金の申請支援についてのヒアリングがあったり、埼玉会広報委員長のN先生がテレビ埼玉に出演して新型コロナウイルス感染症対策のコメントを求められたり、社会では社会保険労務士の有用性が認識され始めています。
ちなみに、4月14日(火)はNHKさいたま放送局で、総合労働相談所・年金相談センターの活動が紹介されます。
11時50分~11時59分と、18時00分~18時50分の枠の中で取り上げられます。FMの方です。18時枠は「日刊さいたま~ず」という番組で、我が敬愛するK副会長が電話出演する予定です。
(原稿チェックしましたよ)
 
感染者治療に当たる医師が不足していること、医師が感染してしまうと医療崩壊につながることなど報道されています。
手前味噌で口幅ったいようですが、社労士もいま、そういう立場になりつつあると思うのです。
日々の生活に不安を感じている労働者や労務管理や事業継続で困っている事業者の皆さんに必要なのは、専門的知識と経験を積んだアドバイザーだと思うのです。
 
そういう意味で、医師や社労士だけでなく、高度専門職を守るということはとても大事なことだと思います。
 
また、万が一社労士が感染した場合、かなりのスーパースプレッダーになるでしょうし、個人事業主がこの時期に隔離されて仕事に就けなくなるリスクが相当程度重いということも支部の理事会では議論しました。
 
今回、政府のことばかり批判することもできないくらいに、自分を含めて全ての人が後手後手に回りました。そのことに対する反省は必要で、今度こういう事態になったときのための備えを十分に行っておかなければなりません。
でもそれは、事態が収束してから。
 
今はしっかり優先順位を付けて、一つ一つ対応していくことが大切です。
 
 

令和2年度 処遇改善等加算Ⅱの変更点について

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保育園や認定こども園などの民間保育所等に対し従事者の処遇改善を目的として処遇改善等加算制度が設けられています。

 

平成25年度に保育士等処遇改善臨時特例事業費として開始された処遇改善のための人件費加算制度ですが、その後平成27年度に「処遇改善等加算 Ⅰが、平成29年度に「処遇改善等加算 Ⅱが導入されて今に至っています。

 

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そのうち、処遇改善等加算 Ⅱについて、令和2年度からの変更点が示されていますので、解説します。

 

そもそも処遇改善等加算 Ⅱとは、キャリアパスの仕組みを構築し幼稚園教諭や保育士等の処遇改善に取り組む施設・事業所に対して、キャリアアップによる処遇改善に要する費用を公定価格に上乗せを行うものです。

これにより、職員が意欲とやりがいをもって長く働き続けることができる職場を構築する取り組みを支援するため、人件費等の経費を加算するということが目的となっています。

 

これまで、職員の平均経験年数や賃金改善・キャリアアップに応じた人件費の加算としてあった「処遇改善等加算」を「処遇改善等加算 Ⅰ」と改め、平成29年度からは、技能・経験を積んだ職員に係る追加的な人件費の加算として「処遇改善等加算 Ⅱ」がはじまりました。

この目的の違いから、全職員を対象に処遇改善を行う処遇改善等加算 Ⅰと、一定以上の経験年数や指定研修受講を要件として一部の職員(副主任・専門リーダー・職務分野別リーダー)にのみ処遇改善を行う処遇改善等加算 Ⅱとに分けて加算(公定価格の上乗せ支給)がされています。

 

そこには、慢性的な保育士不足への対策(職業としての保育士の確立 → 保育士も世間一般並みの収入を得られるようにして就職者数を底上げする)とともに、昨今の職員不足によりインフレを起こした初任給により賃金バランスを崩した(=概ね10年以上前に採用された職員の低賃金と最近採用された職員の初任給とに賃金額の差がない状態)ことを是正することが実質的な目的としてあります。

 

 

さて、令和2年度の変更点ですが、

画期的なことに、副主任・専門リーダー等に支給する月4万円支給対象者のうち、4万円固定の縛りが「1名以上」に緩和されました。

 

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令和2年度における処遇改善等加算の運用の改善(資料2-4)

 

昨年度までは、施設・事業所における職員の経験年数・技能及び給与実態等を踏まえ、施設・事業所が必要と認める場合には、月額4万円の賃金改善を行う職員数を「人数A÷2(1人未満の端数は切り捨て)」人以上確保した上で、その他の技能・経験を有する職員(園長以外の管理職、副主任保育士及び職務分野別リーダー等に限る。)について月額5千円以上月額4万円未満の賃金改善額とすることができるとされていたため、必ず対象人数Aの半数は月4万円を支給しなければなりませんでした。

しかし、令和2年度からは、1名に4万円を支給すれば、後のものについては自由に配分することが可能となりました。

運営的には自由度が高まった形ですが、もともとの目的からは大分外れてきていますので、建前よりも上記に書いたようなホンネの部分を優先させたというところでしょうか。

もちろん、職務分野別リーダー(人数B)の一番金額の多い者よりも、専門リーダー(人数A)の一番金額の低い者のほうが支給額が多くなければならないというルールは変わっていませんので、引き続き注意が必要です。

 

もう一つ、実務的に大きな変更点は、賃金改善の算定起点となる基準年度を「加算当年度の前年度」とされたことです。

これは Ⅰ も Ⅱ も同様ということで、これまで訳の分からなかった、仮想的に平成24年度職員給与を算定して、これと比べて処遇改善がなされているかどうかという計算を報告書に記載しなくてよくなったのは、実務的に喜ばしいことです。

 

ただ、前年度と比較することになった代わりに、これまで施設単位で全体として処遇改善されたかを報告していたものが、職員個別に比較報告するようになるという未確認情報もあり、もしかしたら実施報告はこれまで以上の面倒なものになるかもしれません。

やれやれ(;´∀`)

 

いずれにしても、現場からすると「加算は嬉しいけど、内容がよくわからなくて運用が難しい」ということで厄介者扱いされている処遇改善等加算制度が、現状に合わせて少しづつ変更されていくのはありがたいことです。

支給申請(計画届)や実施報告書がマクロ入りエクセルファイルになって、いろいろ自動計算になっていくのも助かることは助かりますし。

 

ただ、究極的には「加算」ではなくて、公定価格に完全に「統合」され、もっと自由に賃金設計できるようになるとよいのですが。

もっとも、そのためには保育園事業者がもっと人事労務管理に精通していかないと、不合理な賃金格差や差別、理論的に成り立たない賃金設定などが横行し、保育士さんたちの処遇がまた地に落ちることにもなりかねません。

 

そのためには、私たち社会保険労務士を有効に利用していただき、人事労務の専門家としての知見を施設運営に生かしていただくのが、一番簡単で合理的な方法だと思います。

また、そのためにも更なる自己研鑽が、私たちにも必要となることは肝に銘じなければなりません。

 

 

新調

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今日、新しいキーボードが届きました。

 

長年使用していたMicrosoft社のBluetoothキーボードが壊れて接続しなくなり、発注していたものが1日に届きました。

 

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マウスも同じlogicoolのMXシリーズで、はからずも揃えてしまいました。

 

WindowsMacOSも両方使えるので、とても重宝です。

パンタグラフ方式のキーは打っていて気持ちいい感触です。

マウスの方は、一緒に使うと、なぜかドラッグのキレが悪くなったので少し困ってますが。

 

この仕事をしているとPC作業がとても多くなるので、入力機器の使いやすさは結構大事です。

一時期キーボード沼、マウス沼にはまっていましたが、そろそろ抜け出せそうです。

 

所員も増えたので、ノートPCも買い増さないとならないかとか、古くなったPCの更新とか、いろいろ考えてますが、何にしてもお金がかかります。

 

最小の投資で最大の成果(リターン)を得られるように考えるのも、経営者の仕事です。

4月1日

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4月1日です。

令和2年度に入りました。

世の中は、まだまだ新型コロナウイルス感染症に揺れています。

 

そんな中、弊事務所では1名所員が増えました

期待の星として頑張ってもらいたいです。

仕事はおいおいOJTで覚えていってもらいますが、まずは社会保険労務士試験に合格するのが最優先。

 

新人加入で7人体制となったことだし、より一層顧客サービスを手厚くしていかなければと、僕も心を新たにした年度初めでした。

 

 

ところで、「四月一日四月朔日」という名字があるのを知っていますでしょうか。

何と読むかというと、「わたぬき」と読みます。

旧暦の四月朔日(一日)は、現在の暦では五月中旬にあたり、暖かくなって、冬物の綿の入った着物から綿を抜いて夏の着物にしたことから、綿を抜くで「わたぬき」と読ませるそうです。

なお、「八月朔日」という名字もあります。

「ほづみ」と読むのですが、旧暦の八月朔日の頃に稲の穂の刈取りが行われ、稲穂を積む(摘む)ことからというのが由来です。

日本らしい、季節や文化を取り込んだ苗字ですね。

 

 

埼玉県庁に電子公告

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埼玉県庁へ行ってきたときのことです。

この日は午後14時から埼玉県県民健康センターで埼玉会の理事会が開催されることから、午前中に手続きを終わらせてきました。

 

最近は郵送受付となったのでなのか、このところの新型コロナウイルス感染症の影響なのかは分かりませんが、以前はすごく待っていたのがあっという間に受理。

午前中は11時までに申請受付が必要だったので、想定外に早く終わってしまいました。

 

県庁にきたときは、食堂でお昼ご飯を済ませることにしているので、11時30分に開くまでの間、第2庁舎1階ロビーで時間調整をしていました。

時間調整といっても、ずっと電話をかけ通しでしたけど。

 

で、電話しながら目を泳がしていると、「あれ? しゃろたま?」

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埼玉会の広報委員会がやっている電子表示広告でした。

 

自然に画面が変わっていくのですが、画面のアイコンになっているところをタッチすると、そこの公告が表示される仕組みにもなっています。

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総合労働相談所・年金相談センター

社労士会労働紛争解決センター埼玉

もどうぞよろしくお願いします(^^♪

 

この後は、いつものA定食(450円)を食べて、埼玉会理事会・政治連盟幹事会に出席してきました。

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豚しゃぶの餡かけ定食

豚肉も野菜も全て茹でる調理法だったので、とてもヘルシー。

 

協調ゲーム

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新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、いっかな感染拡大を止めることができないでいます。

米国やイタリアの惨状は酷いものですし、世界中で正に悲惨な状況のなか、日本は結構頑張っていると評価していいと思いますが、今の局面からすると急激に感染者が増えてしまうと予測されます。

 

このウイルスはいろいろ言われていますが、決して軽んじてはいけない ということは肝に銘じておかないといけません。

 

28日(土)・29日(日)の週末は、東京都などで不要不急の外出自粛要請がありました。

金曜日のニュースを見ていると「明日から外出自粛になるので、今日のうちに遊んでおこうと思って」などといった勘違いな人たちが映し出されていて、日本人の危機意識の薄さも極まったな と思う反面、あえてこういうコメントを放送するあたりもマスコミってやっぱり自分のシナリオに合う絵を撮りに行くのだなぁと思ったりしてました。

 

今日は、来月23日に支部の総会が開催予定であることもあって、20時に行われた会見を見ました。内容は特に変わったこともなく、「依然予断を許さないギリギリの分かれ道に差しかかっている」ということで引き続きの自粛要請を行うものでした。

 

先週末の外出自粛を求めたときの会見に比べたら、だいぶおとなしい感じでしたので、恐らくその後の世間の評価に一定の配慮をしたように感じました。

 

前回は、陽性反応者が40人を超えたということで慌てて会見をした体に見えていたし、「オーバーシュート」とか「ロックダウン」といった横文字を使っての会見は、当時の状況では分かりにくかったと思います。

 

結果、意に介せず出歩く人もいれば、不安を感じて食料品などの過度な買いだめ、買い急ぎをする人たちも出てしまいました。

 

状況を軽んじて出歩くのは論外ですが、不要不急な買い占め・買い急ぎをするのもいただけません。

ただ、この状況下では買い急ぎに走るのは仕方がないというか、むしろ行動分析的には正解であることをちょっと書きたいと思います。

 

以前にこのブログで、ゲーム理論による人間の行動特性解析について触れました。 tanaka-sr.hatenablog.jp

 この時は「囚人のジレンマ」について書きましたが、今回の買い急ぎ現象は「協調ゲーム(Coordination games)」で説明をすることができます。

 

協調ゲームとは、参加者同士同調することでお互いが最大の利益を得られるという構造のゲームです。

協調ゲームは
 1. 複数の理論予測が導かれる(複数均衡)
 2. それが非効率な結果を含む(非効率性)
 3. 相手次第で自分の最適戦略が変わる(戦略的状況)
という、ゲーム理論分析ならではの特徴を3つ持ちます。(囚人のジレンマは2だけ)

結果、現実の同調行動の多くを説明することができます。

 

よくわからないですよね(;´∀`)


今回の事例でいえば、「いつもの量でカップ麺を購入する」という選択肢を全員が取れば、商品棚からカップ麺が消えることもなく、社会の利益は最大化します。

しかし、これは全員が同じ選択肢を取らなければ「みんなが使える」というメリットは成立しません。
一方で、「買い占める」という選択肢は自分ひとりだけが選択しても成立します。それだけでなく「買い占めない」選択を取った人の分まで効用が得られる=自分はカップ麺を安心な量確保でき、買いに走らなかった人は1個も買えないことになるため、買い占めない人との比較では「買い占める」人が勝者となります。f:id:tanaka-sr:20200328235508p:plain

安田洋祐大阪大学経済学部准教授寄稿記事より

 

この表では、各自が選択できるのは「あわてない」と「急いで買う」の二択。

起こりうる4通りの結果について得られる利益(満足度)は

・どちらも「あわてない」:在庫豊富でいつでも自分のタイミングで買える→ 2点

・自分だけ「買い急ぐ」:商品は買えるが買い急ぐコストが1余計にかかる→ 1点

・どちらも「買い急ぐ」:品薄になり買えなくなるリスクで更に1減少→ 0点

・自分だけ「あわてない」:品切れになり、必要なときに買えない→ -1点

数字が大きいほど、その個人にとって望ましい結果となります。

 

面白いことに、「どちらもあわてない(2点)」と「どちらも買い急ぐ(0点)」で安定的な状況(ナッシュ均衡)が生じます。

 

本来は「自分もあわてない」のが正解す。倫理的にも正しい。

ですが、「買い急ぐ」でも均衡が生じている通り、既に周りの人間が買い急いでいる状況下では自分だけあわてないでいると必要なときに買えなくなり、最悪の結果となります。

他の人がどう動くのかわからない以上、買いに走るというのがゲーム理論上は正解で、利益は「0」と低いものの「-1」よりはましという心理になります。

仮に相手の行動が分からなければ、相手の協調があって成り立つ「あわてない」という戦略を取るよりも、自己完結する「買い急ぐ」を選ぶのも無理はないことになります。これを経済学の世界では「合理的行動」と言います。

 

冷静に利益を比較すれば、全ての人にとって「あわてない」=いつもの均衡が買占め均衡よりも望ましいのです。

にもかかわらず、ひとたび実現してしまった買占め均衡から逃れることが難しいのは、「ナッシュ均衡」という均衡の罠に陥ってしまっていて、一人一人の消費者ではどうにもならないからなのですね。

 

このように個人レベルでは逃れようがない現象(=経済学的には合理的選択)なのですから、正しい方向に向かうには全体が一斉に「あわてない」方向に変わることが必要です。

そのためには正しい情報の共有と「買い急がなくて大丈夫だ」という期待を共有すること、ふたつの「共有」が重要になります。

 

ちょっと前にトイレットペーパーやマスク、生理用品などが消えたときがそうでしたが、誰もデマを信じていなくても、「本当にこれを信じて買い占める人がいるのではないか」という不安が生まれた時点で、「買い急ぐ」という選択肢をとる方が安全ということになります。

 

このような分析からすれば、本来行政は、不安を喚起しない方法で正確な情報を発信し、まだ大丈夫という期待を共有できるようにしなければならないのです。

そのためにはマスコミを利用することが効果的で、マスコミも変に煽り立てたり、逆に能天気な緩ませ方をさせるような報道をせずに、誠実な情報伝達に努める必要があります。

 

自分も、適切な時期に、正しい情報を発信するよう心がけていきたいと思います。

 

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予報通りに朝からです。

 

昨日帰宅するときにはかなり雨が降っていたのですけど、まだ午前1時ごろで暖かだったから、ここまで本格的に降るとは思っていませんでした。

外出禁止要請が出ている週末に降雪も重なって、ほとんどの人が自宅にこもる一日になるのでしょう。

 

今朝出がけにテレビで、イタリアは大変なことになっていると報じていました。

 

イタリアの市長たちが激怒している動画が話題になっています。

mobile.reuters.com

 

世界中危機感のない人々というものはいるので、市長自らSNSで戒めるというのは良い方法だと思うのですが、いちいちセリフのキレが良すぎます。

このあたりはイタリア流のジョークなのか、強くなりすぎてしまうことを緩和しようとして考えたのかは分かりません。

 

「こんなところで卓球なんかやってないで、家のプレイステーションで遊んでいろ!」とか、

「君は『アイ・アム・レジェンド』でウィル・スミスが演じた、唯一の生存者じゃない」

とか語調の強さと相まって面白いですね。

 

日本ではこうはいかない。

 

こうはいっていないあたりは、別に書きます。

 

 

年度の終わりに

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世の中は新型コロナウイルス感染症で大変なことになっていますが、春は確実にやってきています。

顧問先訪問のときに、満開の木蓮が見事だったので撮影。

青い空に白い花がとても映えます。

大きな古木で、桜より早く春を告げてくれます。

 

 

4月から職員が一人増えることになったので、事務所のデスクを注文。

今日納品されました。

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とても大きい段ボール。

 

 

20分ほどの作業で組み立てあがります。

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これまで使っていたものよりも、少し広くなりました。

 

さあこれで、今まで以上に頑張らなければ!