田中労務経営事務所  業務日誌

埼玉で社会保険労務士をやっています。日々の業務にまつわるあれこれを綴っていきます。

総会とか

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年度が替わり、各社・各団体、総会シーズンがやってきました。
だいたい6月くらいまで続く年中行事ですね。
 
現在の会社法等では、意思決定機関である総会は集まってやるしかなく、非常に困ったことになっています。
これに対し、経済産業省ではQ&Aを出し、各自の判断により感染防止に配慮した開催、または開催延期を呼びかけています。
我が社会保険労務士会所沢支部でも、支部の総会をどう扱うべきか、議論を重ね、慎重に検討しました。
実際、予約していた会場が2会場とも緊急事態宣言を受けて閉鎖になり、キャンセルになったこともあり、今回は「集まらない」という結論に達しました。
 
ここまで感染が拡大したり、重篤な状態になる人が出るとは予想もしていなかった2月ごろ。あのときにこうなることが分かっていれば、臨時総会を開催したり、全支部会員に直接投票をしてもらったりして規則の変更や諸対応をできたのですが、そこまでの洞察力がなく、バタバタの対応になってしまいました。
 
でもですね。
いま大切なことは、「会員の、ひいては国民の生命を守るそのためにはクラスターとなる可能性のある会合は行わないということかと認識しています。
 
ましてや、ここ埼玉県は非常事態宣言が出て、「集まるな」ではなく「外に出るな」とまで言われている中、不要不急とは言いませんが、規程通りに総会を行うことに優先度があるのだろうかということです。
 
別に、総会その他、軽んじているわけではありません。きちんとやらなければ支部だけでなく、埼玉会に、全国社会保険労務士会連合会に迷惑が及ぶことは理解したうえで、一番大事なことのために何をしなければならないか、ということです。
 
非常事態宣言のもと、「要請」という形にしろ、移動の事由とか勤労の事由とか、集会の事由も含めて基本的人権の制限が起きている中、形にこだわるのではなく、民主主義に則って、少数意見にもしっかりと配慮し、十分な説明のもとに採決ができれば今年に限って良いのではないかと考えます。
 
 
いま、弊事務所でも雇調金とか小学校休業等対応助成金とか、普段扱わない案件・相談、質問が山のように来ています。
中小企業の置かれている経済状況は悪化の一途を辿っています。
 
そんななか、とある市の産業振興課から雇用調整助成金の申請支援についてのヒアリングがあったり、埼玉会広報委員長のN先生がテレビ埼玉に出演して新型コロナウイルス感染症対策のコメントを求められたり、社会では社会保険労務士の有用性が認識され始めています。
ちなみに、4月14日(火)はNHKさいたま放送局で、総合労働相談所・年金相談センターの活動が紹介されます。
11時50分~11時59分と、18時00分~18時50分の枠の中で取り上げられます。FMの方です。18時枠は「日刊さいたま~ず」という番組で、我が敬愛するK副会長が電話出演する予定です。
(原稿チェックしましたよ)
 
感染者治療に当たる医師が不足していること、医師が感染してしまうと医療崩壊につながることなど報道されています。
手前味噌で口幅ったいようですが、社労士もいま、そういう立場になりつつあると思うのです。
日々の生活に不安を感じている労働者や労務管理や事業継続で困っている事業者の皆さんに必要なのは、専門的知識と経験を積んだアドバイザーだと思うのです。
 
そういう意味で、医師や社労士だけでなく、高度専門職を守るということはとても大事なことだと思います。
 
また、万が一社労士が感染した場合、かなりのスーパースプレッダーになるでしょうし、個人事業主がこの時期に隔離されて仕事に就けなくなるリスクが相当程度重いということも支部の理事会では議論しました。
 
今回、政府のことばかり批判することもできないくらいに、自分を含めて全ての人が後手後手に回りました。そのことに対する反省は必要で、今度こういう事態になったときのための備えを十分に行っておかなければなりません。
でもそれは、事態が収束してから。
 
今はしっかり優先順位を付けて、一つ一つ対応していくことが大切です。