田中労務経営事務所  業務日誌

埼玉で社会保険労務士をやっています。日々の業務にまつわるあれこれを綴っていきます。

2020年の最低賃金

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新型コロナウイルスがまだまだ猛威を振るう毎日ですが、20日中央最低賃金審議会の小委員会が開催され、2020年度最低賃金の目安決定について大詰めの審議を行いました。

 

今年は春先からのCOVID-19パンデミックを受けて昇給を見送る企業も多く、どのような判断がなされるのか非常に注目されるところでした。

 

結果、労使の隔たりが大きく20日中の決着がつかなかったため、一回休んで21日18時から継続審議となったようです。

 

2015年に安倍晋三首相がデフレ脱却を掲げて年3%の最低賃金引き上げを打ち出して以降、本当に3%の引き上げをしてきました。

これを今年もとなると、東京で+30円、埼玉で+28円の上昇となるところでしたが、リーマンショックを超えるとも目されている経済状況の低迷をみると、経営側は一歩も引けないところでしょう。

 

今思えば、昨年の今頃は堅調ではあったのだなあと思い返されます。 tanaka-sr.hatenablog.jp

 

厚生労働省は小幅な上昇を視野に入れているようですし、政府も今年に限っては3%にこだわらない姿勢を示しています。

 

過去には、不況時において引き上げ額の目安を示さず、地方最低賃金審議会に委ねたこともありますので、21日の流れによってはそうなる可能性もあります。

 

いずれにしても、最低賃金の改正が中小企業に与える影響は計り知れないものがあります。

経済を守るために「With コロナ」といって新しい生活スタイルを推奨しているくらいですから、ここで更に足枷を加える様な決定はしないのではないかと考えていますが、やっぱり明確な数字を現時点で出すことは避けるかもしれません。