田中労務経営事務所  業務日誌

埼玉で社会保険労務士をやっています。日々の業務にまつわるあれこれを綴っていきます。

国交省、関東西部運輸に許可取消し命令

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「関東運輸局は8日、幹線輸送準大手の西部運輸グループ「関東西部運輸(千葉県野田市)」に対し、貨物自動車運送事業の経営許可を取り消すと通知しました。

ヤマト運輸日本通運西濃運輸トナミ運輸など大手路線会社の下請け業務を担う同社は2017年5月以来、違法な長時間労働をさせていたなどとして再三にわたり書類送検や事業停止命令を受けたが、今年1月17日に行われた特別監査(特監)で累積処分点数が「許可取り消し」に相当する81点を超過したそうです。

これにより、関東運輸局は最終的な結論として「違法認定した行為が改善されない」と判断し、関東西部運輸は、所在不明などの例外を除き現行の行政処分制度下で初の許可取り消し処分という重大な処分を受けるに至りました。」Logistics Todayから

国交省、幹線準大手・関東西部運輸に許可取消し命令

 

2017年5月10日に「1か月に最大246時間の時間外労働を行わせていた」として書類送検されたのを皮切りに、2年足らずの間に書類送検2回、事業停止処分2回と重大な処分が行われていた中、ついに行政処分で最も重い許可取り消し処分となりました。

今後最低2年間、関東西部運輸の役員は、許可申請ができない事態になります。

 

運送会社に許可取り消し処分が出ることは極めて異例です。

従来から、構造的に長時間勤務が常態化している業界であり、今回の働き方改革における時間外労働の総量制限においても運送業(ドライバー)については5年間の猶予期間を設けて慎重に検討する構えでした。

そのなか、ここまでに至った経緯はよくわかりませんが、「宵積み、翌着」はもはや不可能となり、「翌日配送」は「翌々日配送」になっていくのは必然となりそうです。

 

ひとくちに「働き方改革」といっても、理念だけでは物事は進みません。

働く人たちの健康確保と持続的に継続可能な職場環境の確保、これを産業の健全な発展と両立させなければなりません。

 

今回、産業界の血液ともいうべき物流に対して処分を行った意味は極めて大きいと言えます。