田中労務経営事務所  業務日誌

埼玉で社会保険労務士をやっています。日々の業務にまつわるあれこれを綴っていきます。

近藤史恵著 タルト・タタンの夢

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「シェフは名探偵」というひねりも何にもない題名で放映中のテレビドラマ。

その原作です。

題名はアレですが、ドラマ自体は好評らしいですね(見たことない)。

 

作者は近藤史恵

 

ずいぶんと前に「自転車乗るなら近藤史恵の”サクリファス”を読んでみて」と薦められて読み始めたのが近藤史恵作品との出会いです。

2010年の作品で、第五回本屋大賞第2位 大藪春彦賞受賞作。

 

作品としては面白く、その頃はまだ自転車のことを良く知らなかった自分としては一気読みしてしまう良作でした。

(その後ツールやジロを見たり、ロードバイクのことを知り始めると「?」という部分も出てきましたが、ノンフィクションでもないし娯楽としての小説として受け止めればそれはそれで良いと、本読みとしては思いました。)

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チカを主人公とするこのシリーズは4作。

サクリファスエデンサヴァイヴスティグマータ

シリーズとしては途中「キアズマ」が入りますが、ちょっと外れます。

 

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さてさて”タルト・タタンの夢”ですが、これも常に変わらずずいぶんと前に買っておいて書棚で熟成されていた1冊です。

2007年に創元クライム・クラブから発売されていますが、買ったのは2014年の創元推理文庫版。

創元クライム・クラブは東京創元社が刊行している推理小説の叢書で、装丁は四六判仮フランス装または四六判上製の日本ミステリの専門レーベル。

四六判上製って本好きとしては堪らないのだけれど、持ち歩いて読むとなると文庫版なんですよね。

 

商店街の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マルの三舟シェフが日常の謎を解き明かしていく短編集です。

 

「タルト・タタンの夢」
「ロニョン・ド・ヴォーの決意」
ガレット・デ・ロワの秘密」
「オッソ・イラティをめぐる不和」
「理不尽な酔っぱらい」
「ぬけがらのカスレ」
「割り切れないチョコレート」

と7編が収められています。

 

個人的には”割り切れないチョコレート”の読後感が良かったです。

”オッソ・イラティをめぐる不和”には思い当たることが多すぎて、いろいろと反省させられました。

ドラマも放映していることだし、ネタバレになることは控えますが、米澤穂信北村薫とも異なるふわっとした読後感は一読の価値ありです。

 

続編の「ヴァン・ショーをあなたに」は読みましたが、「マカロンはマカロン」を読めてません。

 

仕事が一段落したら買いに行こう。