第18回ショパン国際ピアノコンクール
なんと40日ぶりのブログ更新です。
このところ仕事が苛烈を極め、更新している時間がなかったのですが、今回どうしてもブログに残しておきたいことが起こったので更新しちゃいました。
コロナ禍により6年ぶりに開催された世界最高峰の音楽コンクール、第18回ショパン国際ピアノコンクールで日本人ピアニストが2人入賞したことが報道されました。
小林愛実さんが第4位、反田恭平さんが第8回の内田光子さん以来の2位になり、大きな話題となっています。日本人としては51年ぶりの快挙で最高位タイですね。
第1位 ブルース(シャオユー)リウ Bruce (Xiaoyu) Liu
第2位 アレクサンダー・ガジェヴ Alexander Gadjiev <ソナタ賞>
第2位 反田恭平 Kyohei Sorita
第3位 マルティン・ガルシア・ガルシア Martin Garcia Garcia<コンチェルト賞>
第4位 小林愛実 Aimi Kobayashi
第4位 ヤクブ・クシリック Jakub Kuszlik <マズルカ賞>
第5位 レオノーラ・アルメリーニ Leonora Armellini
第6位 J J ジュン・リ・ブイ J J Jun Li Bui
このところ日本人男性ピアニストが国際コンクールで次々に入賞しており、良い流れとなっていましたが、このコンクールでの2位は別格。天才反田の面目躍如というところです。
あまり反田さんのピアノは聞いてこなかったのですが、2018年に放映された「ピアノの森」で主人公”一ノ瀬海”の師”阿字野壮介”のピアノ演奏を担当していて、美しく力強い旋律に心打たれて聞き始めたのが最初です。
若く魅力的なピアニストがこのところ多く輩出されており、全く嬉しい限りです。
このコンクールでも有名どころの演奏者はこぞってエントリーしており、8人(古海行子、小林愛実、京増修史、沢田蒼梧、進藤実優、反田恭平、角野隼斗、牛田智大)が2次予選に進出、3次予選へは5人(古海行子、小林愛実、進藤実優、反田恭平、角野隼斗)、そしてファイナルへが小林愛実、反田恭平の2人ですから、日本のレベルの高さがうかがえます。
しかしいい時代になりました。
YouTubeでほぼリアルに配信をしてくれるので、仕事をしながらどっぷり演奏を楽しむことができます。
このレベルになると、まあまずミスタッチはしませんし、譜面を忠実にさらいながらも自己解釈を入れてくるのでどれもこれも名演です。
正直、牛田智大さんはファイナルに残ると思ってましたが、3次予選落ちはちょっと衝撃的でした。
ショパンコンクールは「ショパン弾き」のコンクールであるという特殊性があることと、審査も恐らく”審査員の好き嫌い”で選ぶのだろうなと思います。そのくらい技量や演奏の確かさでは甲乙つけがたい人たちがしのぎを削っているのですから。
その中で2位というのはやっぱり素晴らしいことで、反田さん自身もこの日のために5年間準備をしてきたをインタビューで答えています。勝つために体作りからやるんだと知ったときはとても驚きました。
ところで彼らの演奏していたピアノなんですが、優勝したカナダのブルース(シャオユー)リウさんが”ファツィオリ”で演奏していましたね。
このコンクールでは4社のピアノの中から好みのものを選んでコンテストに臨むのですが、今回この4社(スタインウェイ、ヤマハ、カワイ、ファツィオリ)の中でファツィオリから優勝が出るとは思いませんでした。
ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー、プレイエルといった偉大な3大メーカーはすでに公式ピアノとしては使用されなくなっており、ほぼスタインウェイかヤマハの2台メーカーが占めている中、日本のカワイ、新興のファツィオリが頑張っています。
3つのメーカーが100年以上の歴史を持つ中、ファツィオリは1981年創業、まだ35年目の若い会社なのですが、とうとうここまで来たという感じですね。
このメーカー、王者スタインウェイのアンチテーゼとしてピアノを作り始めたそうで、年産130台という小さな会社ですが、1台1000万円を超えるピアノしか出荷しておらず、その志の高さが作り手としての矜持を感じます。
ちなみに反田恭平さんはスタインウェイです。
1次予選からファイナルまで並べちゃいました。
僕が好きな牛田智大さんの演奏も(*^_^*)
牛田さんはヤマハを選んでますが、ヤマハらしさを極限まで引き出す名演奏だと思います。
YouTubeでは入賞者ガラコンサートも配信してくれています。
カメラワークも素晴らしいので何回も見てしまします。
11月11日に東京オペラシティコンサートホールで「第18回ショパン国際ピアノ・コンクール2021優勝者リサイタル」があるようです。
ブルース(シャオユー)・リウの演奏が生で聞ける好機です。
行きたいけどムリかなあ( ;∀;)