令和3年は「辛丑」
今年は丑年。
十干・十二支でいうと辛丑(かのと・うし)になります。
十二支というと、よく新年会などで引用されるのが相場格言。
「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)は辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁盛、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる」。
”丑はつまずき”なんですね。
昨年といっても2月3日が「節分」ですから、まだ庚子の年は終わっていませんが、新型コロナ感染症で世界は大きく揺れながらも株価は好調でした。
年初は堅調なスタートでありながらコロナで急落し、これに対応するように積極的な金融・財政政策が矢継ぎ早に発動された結果これがけん引役となって6月期から反転。1991年以来29年ぶりに2万6,000円台を回復するところまで来たのが「子年」です。
(東京株式市場で日経平均株価の終値は2万7,444円と年末としてはバブル期の1989年以来31年ぶりの高値)
さて、丑年は格言通りにつまずいてしまうのでしょうか。
米国はひと騒動ありましたが、なんとかバイデン新政権へと移譲が行われそうです。
これでオリンピックが開催できれば雨降って地固まるとなるのですが、7日に発出された2回目の緊急事態宣言を考えると、なかなか楽観的なことは言えない状況下にあります。
特に埼玉県は、人口一人当たりのベッド数が全国最下位ということもあり、崖っぷちまできてしまっている感があります。
「株価が持ち直した」といっても日経平均株価のことなので、3月・4月に新型コロナウイルスによる打撃を受けた飲食業などは未だに厳しい経済状況にあります。
なんとか凌いできたところも、この緊急事態宣言で再び休業となり、雇用調整助成金の請求をなりますが、現在の拡充も2月末までとなっており再延長その他有効な手立てが打てなかった場合3月期に大量倒産が生じる恐れがあります。
とはいえ、雇用調整助成金の財源不足は2020年末時点の試算で1兆7千億円にもなります。
本来は想定していない雇用保険の積立金からの借り入れでしのいでいるということですが、この積立金も21年度に底をつく見通しであきらかに限界が近づいています。
2020年度の雇用調整助成金当初予算は35億円でした。これに対し、2020年12月中旬までの決定額は2兆3千億円に達しています。
一時は人手不足で巨額の積立金を維持していたのに、あっという間に消えてしまいました。
打ち出の小槌はないのですから、知恵を使うしかありません。
なんとしてもこの危機を乗り越えて「普段」を取り戻したい、そのための一助を積み重ねていこうと思います。