田中労務経営事務所  業務日誌

埼玉で社会保険労務士をやっています。日々の業務にまつわるあれこれを綴っていきます。

夜空に

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8月のことですが、美しく尾を引くネオワイズ彗星が観察できることを書いてました。

 

tanaka-sr.hatenablog.jp

 

次に観ることができるのは6,800年後になるそうで、宇宙にとってはちょっと転寝するくらいの時間でしょうが、人間にとっては85回ぐらい転生しないと見ることはできません。

 

さて、上の写真は写真家で天文学者でもあるDaniel Lopez氏が、撮影写真の一枚をネット上で共有している1枚です。

で、すごく嘆いています。

理由は、写真に写りこんでいるたくさんの白い縞模様にような白線です。

 

これは、実は大量の人工衛星の軌跡です。

この写真は30秒間の露光撮影を行った17枚の写真を合成してできているらしいのですが、短時間の露光なので星自体はブレず、鮮明に映っています。

問題は人口衛星で、沢山の階層に打ち上げられているなか、低軌道の衛星は約90分で地球を1周してしまうため、短時間露光でも白い筋となって映り込んでしまうのです。

 

このたくさんの人工衛星ですが、いま宇宙開発で有名なスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ社(通称スペースX 米国)が打ち上げたスターリンク計画の要となる衛星です。

スターリンク計画は、衛星による高速インターネットサービス提供を目的として高性能通信衛星12,000基打ち上げ、巨大通信衛星網を構築することを目指しています。

流石はイーロン・マスク、やることがでかいです。

 

ですが、社会生活の利便性を得る代わりに空がこんなことになってしまうと、世界中の天文学者は嘆くしかありません。

 

我が愛する国立天文台ハワイ観測所のすばる望遠鏡や、はるか上空で観測を続けているハッブル宇宙望遠鏡なんて、数時間単位の長時間露光撮影をしているので、人工衛星が撮影画面を横切ることで致命的なダメージを受けかねません。

 

いやはや、どうしたものか。

 

世に悩みは尽きません。