田中労務経営事務所  業務日誌

埼玉で社会保険労務士をやっています。日々の業務にまつわるあれこれを綴っていきます。

令和2年第2次補正予算案 予算委員会を通過

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出典:NHKより

 

衆議院予算委員会は、令和2年第2次補正予算案の基本的質疑と採決を行い、与党、立憲民主、国民民主等統一会派の賛成多数で、本日午前可決しました。

この後、午後には衆議院本会議で可決して参議院へ送られる見通しです。

 

今回の補正は、一般会計歳出総額31兆9114億円で、1次補正(21.6兆円)を10兆円以上上回ります。

中小企業者への家賃3分の2補助や雇調金日額上限の引き上げ(8,330円→15,000円)などを含む内容で、財源は全て赤字国債の発行で賄うものです。

 

www.mhlw.go.jp

 

www.meti.go.jp

 

今回の補正で最大の論点になったのは、10兆円の予備費

新型コロナウイルス感染症対策のための諸施策と予算の計上については与野党ともに異論はないところでしたが、国会による事後承諾が必要とはいえ、内閣の判断で使途を決定できる予備費に、これだけの巨額計上することは財政民主主義(憲法83条)のからは異常としか言えないところです。

 

結局、10兆円のうち5兆円分についての使途を政府が事前確定することで与野党合意に至ったということで、予備費という性格上事前に使途を明示するのも異例。

これを緊急事態に対応するためギリギリの妥協点を見出したと見るべきなのか、野党のパフォーマンスに花を持たせたと見るべきなのか、いずれにしても前例のない補正内容になっています。

 

安倍政権になってから毎年増額されてきた予備費ですが、1次補正のときでも1兆5千億円、東日本大震災後の平成12年度当初予算で一般会計予備費は1兆2千億円余りでしたから、現在の国の財務内容からしても大変なことです。

歳出総額の3分の1が予備費ですからね。

 

でも、これで雇用調整助成金にしろ、小学校休業等対応助成金にしろ、歯切れの悪かった回答をしっかりとすることができるようになりそうです。

 

問題は「新型コロナウイルス感染症対策休業支援金(仮称)」ですね。

予算規模5442億円を計上してますが、雇調金との折り合いをどうつけるつもりなのか、今後を注視していきたいと思います。