労災事故 ~埼玉新聞より
埼玉新聞と埼玉県社会保険労務士会は、今、非常に良い関係にあり、社労士の日には石倉埼玉会会長と、埼玉新聞社社長の対談記事を載せていただいています。
また、出前講座や事業開発委員会の活動等も掲載していただくなど、今後もこうした関係を継続していきたいですね。
で、ちょっと気になる記事がありました。
2月28日(金)7時30分ごろ、深谷市本田の路上で労災事故があり、重機を誘導していたアルバイトの男性が亡くなられたということです。
被災男性は、鉄板を吊り下げた油圧ショベルを誘導していたということですが、記事によると2枚の鉄板を運んでいた油圧ショベルの「バケットとアームの部分に挟んでいた鉄板」が落ちたということです。
パワーショベルの型式や運転質量、使用等は分かりませんが、少なくともクレーン機能付き油圧ショベルを使用していたのでしょう、というか、そうであってほしいです。
また、どういう意図でどこへ誘導をしていたか分かりませんが、地上2.5mまで吊り上げられた鉄板(3100×1500×20 500㎏)が被災者の頭に直撃したということですから、被災時には吊り荷の下にいたのでしょう。
しかし、バケットとアームの部分に挟んでいたってどういうことなのか、よくわかりません。
僕の勉強不足でしょうか。
クレーン機能付き油圧ショベルであれば、バケットについている外れ止めフックを使用して荷吊りするはずで、バケットとアームの間に挟むという形にはならないんですよね。しかも2枚運んでいたと。
また、運転には、車両系建設機械運転技能講習(又は小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育)のほかに、移動式クレーン運転士免許(又は小型移動式クレーン技能講習)が必要だし、玉掛け作業には玉掛け技能講習を修了していることも必要です。
私有地内での運転ならともかく、今回の現場は路上ですしね。
残念ながら、有資格者が正しい手順で作業をしていても事故率は0にはなりません。
ですが、どこかに瑕疵があれば事故率は跳ね上がります。
あまりにも情報が少ないのでこれ以上は何ともいえません。
熊谷労働基準監督署の調査で事故原因等は判明してくると思います。
弊事務所でも建設業の顧問先はいくつもあり、日々徹底して安全作業を行っていただいております。
究極的にはやはり、労災事故は「0」にしなければなりません。
こうした事故が起きて肝に銘ずるのではなく、従業員の安全を第一に、私たち社会保険労務士も日々力を尽くしていかねばと考えた一日でした。