田中労務経営事務所  業務日誌

埼玉で社会保険労務士をやっています。日々の業務にまつわるあれこれを綴っていきます。

最近売れているらしい

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最近、内定辞退セットなるものが売れているらしいです。

 

版元は「日本法令」です。

税別500円

 

昨年12月に発売されたもので、中身は、①手紙用便せん4枚、②内定辞退を伝えられる記載例入りの下敷き1枚、③郵送用封筒2枚、です。

この下敷きに便箋を置いて、上からなぞれば体の良い内定辞退届ができてしまうという代物です。

文例の一部を見ると、私なりに悩んだ末、別業界に進むことを決意いたしました。内定までいただきながら、はなはだ勝手ではございますが、何卒ご了承いただきたく存じます 」てな感じで、よくできてます。

この人手不足を象徴する商品といっても良いでしょう。

大学生協では品薄・欠品となっているらしいです。

 

 まあ、氷河期といわれた時代、企業からは「お祈りメール(貴殿の今後のご活躍をお祈りしますってやつですね)」一本で不採用となっていましたから、それを踏まえてなのか、面倒くさいのか、内定辞退もメールで済ませる学生がいることを考えると、500円支払ってでも直筆の手紙で辞退を伝えるというのは良い方なのかもしれません。

 

 企業の採用担当者に聞くと、「内定を出した学生が無断で辞退して、来なかった」「電話に出ない」「メールもスルー」という学生も多いようです。

その不満は大学の就職担当者へぶつけられるということなので、大学の名誉や後輩の就職活動にも影響は出るし、きっと願ったりの商品になっているのでしょう。

 

ただ、なんとなく「違う」感を感じてしまうのは古い人間ということなのかなぁと思ってしまいました。

 

ちなみに、退職願セットも販売されています。

税別800円(日本法令

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最近、顧問先事業所に、退職代行業者からの退職通知が来ました。

✕✕ユニオン

ここ、もともと退職代行業の会社が合同労組として始めたところで、退職希望者の代理として活動してしまうと非弁行為になってしまうところを回避しようと、考えたようです。

退職代行の依頼を受ける(1件27,000円位かかるらしいです)と、当人はこのユニオンの組合員になり(きっと組合費という位置づけなんでしょう)、無事退職できると組合を脱退していいそうです。

 

この超人手不足ですから、なかには辞めさせない会社(辞めさせないパワハラ)もあると聞くので、そういう時には便利なんだろうなと思いますが、全く事業主も思い当たり節もない、むしろ人間関係はうまくいってると思っていた社員から代行業者を挟んだ退職通知とか来ると、結構がっかりします。

 

こういうことも含めて、「そういう時代になったんだ」と受け止めるしかないのでしょう。

 

でも、できれば、文章の内容なんて多少変でも構わないので、内定辞退や退職の時ぐらい、自分の言葉でしっかり描いて欲しいですね。

それもまた、自分を成長させると思いますし。