口座売買 資金洗浄の温床に
今朝の日経新聞に、外国人留学生などが帰国の際に預金口座を売っていく実態が記事として載っていました。
「犯罪集団によるマネーロンダリングを防ぐため、大手銀が外国人による口座開設の審査を厳しくしている。留学生らが帰国する際に売る日本の銀行口座が、特殊詐欺で得た資金の受け皿に使われる事例が相次いでいるためだ。出入国管理法改正で外国人労働者が増えれば、口座売買が広がるリスクも高まる。金融庁は金融機関に対策の徹底を求めている。(日本経済新聞令和1年5月8日岡部貴典氏、広瀬洋平氏)」
違法行為という認識が薄く、帰国時のお土産代稼ぎとして気軽に売っていく留学生が少なくないようです。
使用しなくなった口座を不正取得しているのは、主に高齢者をターゲットとする特殊詐欺グループのようです。
特殊詐欺の認知件数は、2017年には前年比3割増の18,212件にのぼり、被害総額は394億円に達しています。
インターネットのサイトなどを通じて外国人留学生らをそそのかして日本の銀行口座を買い取るようで、大手銀行なら40,000円、地銀なら25,000円が相場だとか。
4月に入出国管理法が改正され外国人労働者が増えることが予想されることから大手銀行は対策を急いでおり、ゲートキーパーとしての機能を果たすことが期待されています。
口座売買は犯罪行為で、違反者には1年以上の懲役か100万円以下の罰金が処せられます。それどころか特殊詐欺に使われたとなれば詐欺ほう助罪を問われることにもなりかねません。
今後、外国人労働者の労務管理が間違いなく私たちの仕事の一つになってきます。
労働基準法や入管法だけでなく、口座売買をはじめとした関係についても正しい知識を持ち、事業主さんや外国人技能実習生その他従業員さん達への啓蒙と指導まで心掛けることが大事と、改めて考えました。