汚れちまった悲しみに・・・・
汚れっちまった悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れっちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる
汚れっちまった悲しみは
たとえば狐の革裘(かわごろも)
汚れっちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる
汚れっちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
汚れっちまった悲しみは
倦怠(けだい)のうちに死を夢(ゆめ)む
汚れっちまった悲しみに
いたいたしくも怖気(おじけ)づき
汚れっちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる……
今日は所属しているロータリークラブの理事会があり、現在幹事をしている自分としては出席をしてきました。
理事会後、今日の会場であったお店で皆で食事をし、車を運転しての帰り道、満天の星空を見て、ふと、中原中也の詩が浮かんできました。
中原中也と萩原朔太郎は好きな詩人で、夭折の天才である中也の「汚れちまった悲しみに・・・」は有名で、教科書にも載ってたりします。
特に声に出して読むと、その美しさが際立ちます。
心の中に刺さっている棘の毒に焼かれ続けているような、そんな気持ちになると、ふと浮かんでくる、そんな詩です。
詩集「山羊の歌」のなかで、「みちこ」という章にある詩ですが、この章の「みちこ」「汚れちまった悲しみに・・・」「無題」という3つ続く詩がとても好きで、昨日の月と和歌からの流れと、今夜の冬空を見て、書いてしまいたくなりました。